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Heidelbergで綴るgerman life


by d_ambrosia
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Wiesbaden 03

午前8時30分。
今朝は、私が泊まっているホテル・Dorint Sofitel Pallas WiesbadenのBusiness Development ManagerのRambosek女史と朝食を一緒にとることに。
昨日、彼女から部屋に電話をいただいたときには、「朝食を一緒に」とはいうものの、終始、ビジネスの話になるんだろうと思っていた。
が、いざお会いしてみると、とても気のいいおばさまで、ひたすら世間話。
ドイツ国籍をもっているルーマニア出身のおばさまで、来年定年だそうだが、とても若々しい溌剌とした方だった。
あっという間に1時間が経ち、私の今日のプログラムが始まる10時まで、あわててホテル内を案内していただくことに。
ジュニアスイート、スイートと見て回り、最後はジョン・F・ケネディの名を冠するプレジデンシャルスイートも見学させていただいた。
このホテルはもともとUS Air Forceがアメリカ人(兵士など)のために作ったのが始まりで、ケネディがベルリンで「私はベルリンっ子だ」という有名なスピーチを残した際に、このホテルに宿泊したのだそうだ。
当スイートルームにはその“証拠写真”も飾られていた。
ちなみにプレジデンシャルスイートのルームナンバーは私の誕生日と同じ数字の並びだった。
小さな幸せを感じたりして。

午前10時。
WiesbadenのSimoneとともにRheingauへ。
彼女はとてもfriendlyかつopen-mindedで、年が近いということと相まって、5月のDuesseldorfでのワークショップ以来、すっかり仲良しだ。
Rheingauを代表するブドウといえばRiesling。
「Rheingau Riesling Route」とも呼ばれるワイン産地が65kmに渡って広がっている。
今日、足を運んだのはKloster Eberbach、Schloss Vollrads、Schloss Johannisberg。

Wiesbaden 03_a0065226_1423638.jpgKloster Eberbachは元々、シトー派の修道院だったところで、ショーン・コネリー主演の映画「薔薇の名前」の撮影が行われたことでも知られている。
この映画は、大学時代に図書館のAudio & Video Roomで一番最初に観た映画だ。
今回、足を運んだことで、もう一回観てみたくなった。
ここでのワイン作りは850年以上の歴史がある。

Wiesbaden 03_a0065226_143088.jpg中世に建てられたという修道院内を見学した後、ショップでテイスティング。
そこで初めて知ったことがある。
RheingauのRieslingで質の高いものには、こういうエレガントなボトルが使われているのだそうだ(後で訪ねたSchloss Johanisbergではこのボトルは使っていないなど、もちろん例外もある)。
写真では分かりづらいが、ボトルの上部にカットが施されているのだ。
こんなボトル、日本で見たことないなぁ。
まだまだ勉強不足だ。
何はともあれ、Steinberg / 2005のRieslingはおいしかった。
Kabinettだということだったが、Spaetleseといってもいいほどの完熟さを感じた。
とはいえ、しつこい甘さではなく、酸味とのバランスのとれた程よい甘さ。
余韻も長め。
(ちなみに、このRieslingを1本、Simoneがお土産として買ってくれた。
 かたじけない。)
何てことを2人で言っていたら、お店の方が「じゃあSpaetleseも試してみて」と勧めてくれた。
飲んで納得。
やっぱりSpaetleseは、ひと味違った。


Wiesbaden 03_a0065226_143231.jpgブドウ畑の中に忽然と姿を現すSchloss Vollads。
14世紀に建てられた城だが、オリジナルのまま残っているのは、現在でも人が住んでいるという石造りの塔のみだ(ほかは17~18世紀のもの)。
ここではランチブレイク。
グラスワインで目ぼしいものがないことを憂いた私達。
そこでSimoneが、何かスペシャルなものがないかとギャルソン君に食い下がった。
と、昨日のワイン祭りで開けた残りでよければ、1996年のSpaetleseがちょうど1杯分だけ残っているとのこと。
一も二もなくオーダー。

Wiesbaden 03_a0065226_1434297.jpgWiesbaden 03_a0065226_1435387.jpg
黄金に輝くSpaetlese。
洋ナシのタルトのような香りとアンズのような味わい。
美味。
写真左の料理は私がオーダーしたPremium Raeucherlachs "traditionell" mit Apfel-Meerrettich und Reibekuchen、右はSimoneがオーダー(そして撮影も)したAngemachter Winzerkaese mit Brotauswahl。
どちらもこのあたりではポピュラーな料理だそう。
左は、ジャガイモをすりおろして作ったパンケーキのようなものとスモークサーモンに、リンゴ&セイヨウワサビのクリームをつけていただく。
刺身&寿司大好きの私は、もちろん日本のワサビも好きだが、それよりも鼻にツーンとくることが少ない、なめらかなセイヨウワサビの味も好きだ。
あまりリンゴの風味は感じなかったが、Simone曰く、リンゴのソースを使うほうが一般的かもしれないとのこと。
また、サラダの上にのっている紫色のハーブがシソと同じ味がすることに気がついた。
新発見。
右はフレッシュチーズにパプリカなどを混ぜ合わせて作るディップのようなものが、セミハードチーズの上にのっている。
このディップ、前にSchwetzingenのカフェでレシピを訊いたのと同じものかもしれない。
奥にあるココットに入っているのはマスタード入りのジャム。
これを上にさらにのせると、また一味違った味わいが楽しめる。


Wiesbaden 03_a0065226_1443255.jpgWiesbaden 03_a0065226_1444215.jpg
最後はいわずと知れたSchloss Johanisberg。
1718年にフルダの大修道院長兼領主のために建てられた城で、Spaetlese(遅摘みブドウで作るワイン)発祥の地として知られている。
1775年、大修道院長兼領主からのブドウ収穫許可を伝える伝令が遅れて到着したことが原因で、偶然に発見されたそのおいしさ。
その彼の功績(?)を称え、中庭をはじめ、いたるところに彼の姿を見つけることができる。
Wiesbaden 03_a0065226_145368.jpg丘の上にたつ同地からの眺めは、見渡す限りのブドウ、ブドウ、ブドウ。
そのほとんどがリースリング。
奥に見えるライン川まで=ライン川の北側(というわけで畑は南を向いている=いいブドウができる=おいしいワインが作られる)がRheingau。
ライン川の向こうはRhein-Hessenという違うワイン産地だ。
RheingauがあるのはHessen州で、Rhein-HessenがあるのはRheinland-Pfalz州と、ちょっとややこしい。

Wiesbaden 03_a0065226_1452123.jpg
どのワイナリーのワインショップで扱っているワインは、どれも日本で買う場合の半分以下の値段だった。
さらにブドウ畑の中をひたすら進むドライブの途中、Simone曰く「今日一日で相当な畑を見てるから、今度からRheingauのワインを飲むときは、“この畑、知ってる”って言えるね」。
やっぱりいいなぁ、ワインの故郷は。
by d_ambrosia | 2006-08-22 21:00 | travel